建設機械の遠隔操縦に向けて国立研究開発法人 土木研究所様と共同研究成果発表
建設機械の遠隔操縦に向けて国立研究開発法人 土木研究所様と共同研究*1を行ってまいりましたが、この度研究成果を2024年10月8日、9日に第22回建設ロボットシンポジウム*2(主催 建設ロボット研究連絡協議会)において研究成果の発表を行いました。
本研究では、建機の自動化・自律化運用に向けた超低遅延映像伝送技術およびレジリアントな無線通信技術について現状の課題を解決し、安心安全の建設作業に貢献する取り組みで当社開発の超低遅延映像伝送装置LLC-4000を用いた各種実証成果が得られました。
研究概要
<背景>
効率的に建機の遠隔操作を行うためには、高品質な映像の安定・低遅延伝送が必要
<報告内容>
ローカル5Gや低軌道衛星Starlinkなどさまざまな無線ネットワークを用いて遠隔操作実験を行い、超低遅延ビデオエンコーダやARQにより、効率的な遠隔操作の目安とされるEnd-End遅延時間を300ms以内に抑えつつ、安定した映像伝送を行って建機操作できることを確認
建機の遠隔操作における課題と対策
- 普及に向けての実装における課題:例)複数カメラ,エンコーダ台数
→ フルHD 4ch収納可能なビデオエンコーダ開発により実装簡易化 - カメラ映像伝送遅延に関する課題:カメラ,エンコーダ,回線遅延
→ ビデオエンコーダ等,各デバイスの低遅延設計によるEnd-End低遅延化 - 無線通信を利用する上での課題:帯域変動,パケットロス,ジッタ
→ シーンの変化や瞬断にも安定した映像符号化レート制御、誤り耐性機能の実装 - 建機の制御信号伝送における課題:映像と制御信号伝送が別回線
→ 強力な映像符号化レート制御により建機制御信号のインバンド化
研究成果
- 映像は3M(1M*3)bpsで安定しており,建機制御信号もインバンド伝送
- 低軌道衛星回線は10Mbps,その他(Wi-Fi,L5G等)は20-40Mpsの帯域
- ARQ onにより、建機旋回時の瞬断発生でもパケット再送で正常復号確認
- End-End遅延は300ms(ARQ on)以下となり,安定した映像で遠隔操作確認
*1:共同研究メンバー)ハイテクインター株式会社、国立研究開発法人 土木研究所、株式会社ジツタ中国、株式会社中電工
*2:第22回建設ロボットシンポジウム(https://ccrr.jp/event/symposium/2024/2024.html)
*3:低軌道衛星回線(Starlink)利用の場合
LLC-4000をベースに、建機遠隔操縦用LLC-4000 4CH伝送
精密な帯域制御
Starlink利用時におけるARQ ON/OFFによる映像評価
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関連商品
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4K 低遅延/狭帯域対応 映像伝送装置 エンコーダ/デコーダ LLC-4000
●同一装置をエンコーダモードとデコーダモードに設定で切り替えて使用可能
●コーデック遅延50ms以下(4K@60P、LLC-4000対向低遅延モード時)
●100kbps以下の通信回線においても良好な映像伝送を実現
(符号化レート20kbps~25Mbps、狭帯域モード時)
●ピークビットレートを超えないレート制御や誤り訂正/再送制御機能をサポート
●映像受信装置は、最大4ストリームを受信して4分割映像表示をサポート
●ネットワークの帯域変動に追従し、最適なレートを自動設定
●関心領域(RoI)の画質を相対的に高くした効率的なエンコードをサポート
●国内開発・生産品により柔軟なカスタマイズ相談可能