観光地の人流をスマートに管理!AIカメラとRaspberry Piでひまわり畑の“にぎわい”を見える化
こんにちは!ハイテクインター営業部販売促進課の平田です。
北海道では朝晩に涼しさが増し、秋の気配が色濃くなってきました。
とはいえ、日中はまだ夏の名残を感じる日もあり、季節の移ろいを感じる時期ですね。
今年の夏、北海道北竜町では「ひまわりの里」が多くの観光客でにぎわいを見せました。
広大なひまわり畑が咲き誇る風景は、まさに北海道の夏を象徴するもので、地域の魅力を発信する重要な観光資源となっています。
そのにぎわいを“見える化”するため、私たちはAIカメラを活用した人流カウントの取り組みを行いました。
今回はその実証の様子をご紹介します。

200万本のひまわりを全国へ
北海道北竜町の「ひまわりの里」は、毎年夏に200万本以上のひまわりが咲き誇る、国内最大級のひまわり畑です。
見頃の時期には、国内外から多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。
ハイテクインターでは、北竜町役場様からのご依頼を受け、2022年よりこの絶景をより多くの方に届けるためのライブ配信システムの導入を開始しました。
2022年には、定点映像によるライブ配信を目的として、PTZカメラを設置。
高画質な映像をリアルタイムで全国に届けることで、遠方からでも北竜町の魅力を感じられるようになりました。
翌2023年には、観光センターにWi-Fiアクセスポイント「PRISM MO10」を導入。
これにより、来場者が快適にインターネットを利用できる環境が整い、通信インフラの強化が図られました。
そして2025年には、4K・光学40倍ズーム対応のPTZカメラ「HIC-TR400X40PTZ」を追加導入。首振り機能やブレ防止機能により、広大なひまわり畑の様子をより鮮明に捉えることが可能となりました。
さらに、AIカメラによる人数カウントのテスト導入をスタートしました。


AIカメラとRaspberry Piによる人数カウントの仕組み
観光地の人流をデータで把握する取り組みとして、AIカメラとRaspberry Pi(ラズパイ)を活用した人数カウントの仕組みを試験的に導入しました。
使用しているのは、4K対応のAIカメラで、映像内の「人のみ」を検出するように設定しています。
このカメラは、訪問者の人数をリアルタイムにカウントすることができますが、日毎の集計機能は備わっていません。
そこで登場するのが、Raspberry Piです。
小型で省電力なこのコンピュータが、HTTP APIを通じてカメラから人数情報を取得し、毎日深夜に自動で集計処理を行います。
沼田町のハイテクインター北海道開発テストセンターに設置されたRaspberry Piは、こうして抽出したデータを日次で保存・分析する仕組みを担っています。

HTTP APIとは
HTTP APIは、ネットワークを通じてデータをやり取りするための仕組みです。
今回のシステムでは、AIカメラでカウントした結果をHTTP API経由で取得できるようにしています。これにより、外部のアプリケーションやダッシュボードから標準的なリクエスト(GET/POST)を使ってリアルタイムにデータを参照できます。
独自仕様に依存せず、一般的なREST形式でやり取りできるため、システムの拡張性や他サービスとの連携が容易になります。
地域の魅力を、技術の力で支える
PTZカメラとAIカメラ+Raspberry Piの組み合わせにより、「映像による魅力発信」と「データによる人流把握」という2つの価値を同時に提供できるようになりました。
・PTZカメラ:遠隔地からでも臨場感のある映像で観光地の魅力を伝える
・AIカメラ+Raspberry Pi:来場者数をリアルタイムに把握し、運営や広報に活用可能
今回の実証を通じて、様々な地域課題の解決に貢献できる可能性が見えてきました。
混雑状況の可視化による来場者の分散誘導、来場者数のデータを活用したイベント運営の最適化、映像とデータを組み合わせた観光PRの強化など、技術の力が地域の魅力を引き出す新たな可能性を広げています。
そして、観光地の魅力を「映像」や「データ」といった形で広く発信することで、より多くの人にその価値を届けることができると感じています。
ハイテクインターは、今後も地域とともに、テクノロジーを活用した新しい取り組みにチャレンジしていきます!