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無線LANを規格別に比較し、速度の違いを確認した結果

2018/05/01

無線

無線LANを規格別に比較し、速度の違いを確認した結果
パソコンやスマートフォンを利用するには欠かせない無線LAN。
無線LANには、2.4GHz帯・5GHz帯のほか、新たに60GHz帯も加わって3つの周波数帯がありますが、それぞれ通信速度や特徴が異なります。
無線LANの通信規格は、2.4GHz帯が2種類、5GHz帯が2種類、2.4GHz帯・5GHz帯共通が1種類、60GHz帯が1種類、計6種類あり、今回はそれぞれの通信速度の違いや特徴を中心に紹介していきます。

無線LANとは?

無線LANとは、有線ケーブルを使用せずに無線を利用してインターネット接続が可能となるLANのことです。

無線LANで通信を行うには親機と子機が必要になります。
ルータなどのインターネットにアクセスする側の機器はアクセスポイントと呼ばれる親機となり、親機と通信をおこなう端末側のデバイスが子機となります。
最近のデバイスには、デバイス内部に無線LANの子機が組み込まれているのがデフォルトになってきています。
使用するデバイスが無線LANに対応している機器であるかどうかを確認しておきましょう。

無線LANは親機と子機との距離が遠くなったり、障害物が間に入った場合など、環境の違いによって通信速度が大きく変化します。
そのため、親機を設置する場合は子機を置く場所や周辺の環境を考慮する必要があります。
また、無線LANは電波を用いてデータの送受信を行うため、電波を受信できる第三者によってデータを改ざんされたり盗み見されてしまう危険性もあります。
親機側でも子機側でも、利用する時は危険性を理解し、セキュリティを強化しましょう。

2.4GHzと5GHzとの違いとは?

2.4GHz
2.4GHz帯には、1チャンネルから13チャンネルまであり、各チャンネルは5MHzずつ離れています。
しかし、無線LAN通信を行う際に使用する帯域幅が20MHzほどあるため、隣のチャンネルと重なり合っており、同時に利用すると干渉し合ってしまいます。
そこで、互いの電波の干渉を防ぐために、同時に利用できるチャンネルは、「1・6・11ch」、「2・7・12ch」、「3・8・13ch」のように、重なり合わないように割り当てることが必要です。

2.4GHz帯は、5GHz帯に比べ床や壁などの障害物の影響は多少小さくなりますが、この周波数帯は様々なところで利用されているため、互いに干渉し合い、通信速度が低下してしまうことがあります。
例えば、家電製品の電子レンジやコードレス電話でも2.4GHz帯を利用しています。
その他にパソコンやスマートフォン、オーディオ機器に搭載されているBluetoothも2.4GHz帯を利用しています。
そのため、電波干渉により2.4GHz帯で安定した通信を行うことが難しい場合もあります。

5GHz
5GHz帯にはW52・W53・W56と3つのチャンネルグループがあります。
W52は「36/40/44/48ch」の4チャンネル、W53は「52/56/60/64ch」の4チャンネル、W56は「100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch」の11チャンネル、よって全部で19チャンネルあります。
各チャンネルは20MHzずつ離れているため、隣のチャンネルとの干渉も少なく同時に19チャンネルを使用することができ、安定した高速通信を行うことが可能となります。

5GHz帯は、気象レーダ等と同じ周波数帯を使用しています。
5GHz帯を屋外で使用した場合、電波が干渉し重要なシステムに影響を与えてしまう可能性もあります。
そのようなことが起こらないように、W52・W53の8チャンネルは、屋外での使用が電波法で禁止されています。
W56の11チャンネルは屋外での使用が許可されていますが、通信を開始する前に1分間のレーダ電波の検知を行い、レーダ電波が出ていない場合に限りそのチャンネルで通信を行うことができます。
なお、W53は屋内のみで使用可能ですが、W56と同じく1分間のレーダ電波の検知は必須になります。

5GHz帯は、2.4GHz帯と比較すると利用機器が少ないため、電波干渉も少なく安定した通信が行えますが、壁などの障害物により電波が弱まってしまったり、気象レーダの近くでは通信が遮断されたりするデメリットがあります。
そのような場面では、2.4GHz帯を選択するほうがよいでしょう。
なお、5GHz帯の無線LANは上空で使用することができません。
ドローンに搭載して無線LAN通信を行う場合は2.4GHz帯を使用することになります。

無線LANの規格別速度比較

無線LANの規格は、電気通信関連の仕様を標準化している「米国電気電子学会(IEEE)」が定めたものが国際標準となっており、規格による通信速度の違いや特徴があります。

IEEE802.11b
[最大通信速度]11Mbps
[周波数帯域]2.4GHz
[特徴]2.4GHz帯では事実上一番古い規格になります。
変調方式にスペクトラム直接拡散方式をベースにしたCCK(Complementary Code Keying)が使われています。802.11bで使用できるチャンネル数は全部で14個ありますが、干渉せずに同時に利用できる最大チャンネル数は4つで、1ch、6ch、11ch、14chになります。
チャンネル14は日本独自のチャンネルで対応している製品は限られているため、実質最大チャンネル数は3つになります。
5GHz帯無線LANに比べ壁などの障害物には強くなりますが、家電製品の電子レンジやコードレス電話、Bluetoothの電波干渉を受けやすく、通信の実効速度が低下してしまう弱点があります。

IEEE 802.11a
[最大通信速度]54Mbps
[周波数帯域]5GHz
[特徴]5GHz帯で一番古い規格になります。
変調方式にOFDMを採用し最大通信速度54Mbpsを実現しています。
現在利用できるチャンネル数は19個ありますが、電波法により、W52とW53のチャンネルは、屋外での利用が禁止されています。
5GHz帯を屋外で利用する場合は、W56のチャンネルをお使いください。

IEEE802.11g
[最大通信速度]54Mbps
[周波数帯域]2.4GHz
[特徴]IEEE802.11bと同じ2.4GHz帯を使用します。
変調方式にはIEEE802.11aと同じOFDMを採用し最大通信速度54Mbpsを実現しています。
チャンネル数は全部で13個ありますが、干渉せずに利用できるチャンネル数は、例えば1ch、6ch、11chの3つになります。(その他の組み合わせも可)
IEEE802.11bと同様、5GHz帯無線LANに比べ壁などの傷害物には強くなりますが、家電製品の電子レンジやBluetoothの電波干渉を受けやすく、通信速度が低下してしまう弱点があります。

IEEE802.11n
[最大通信速度]600Mbps
[周波数帯域]2.4GHz・5GHz
[特徴]2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯で共通の規格です。
2.4GHz帯は通信距離が長く障害物に強いメリットがありますが、電波干渉を受けやすいというデメリットを持っています。
5GHz帯は利用できるチャンネル数が多いため電波干渉の影響を受けにくいメリットはありますが、気象レーダを検知した場合に通信が一時的に停止するデメリットがあります。
MIMOやフレームアグリゲーション、複数チャンネルを束ねてチャンネル幅を広げるチャンネルボンディングの技術を組み合わせることで最大通信速度600Mbpsを実現させました。

IEEE802.11ac
[最大通信速度]6.9Gbps
[周波数帯域]5GHz
[特徴]変調信号を「64QAM」から「256QAM」に引き上げることで一度に送信できるデータ量が8bitになり、IEEE802.11nと比べ約1.3倍の効率化を実現させました。
その他に、チャンネルボンディングやMIMO技術を拡張したMulti User‐MIMOを採用することにより一度に送信できるデータ量を増やし、通信速度の向上を実現させています。
Multi User‐MIMOは、1台の親機から複数の子機に向けて同時に通信を行うことができる技術で、これにより効率の高い通信が実現できています。

IEEE802.11ad
[最大通信速度]6.7Gbps
[周波数帯域]60GHz
[特徴]IEEE802.11の規格の中で、最新の規格となります。
直進性が強い60GHz帯の電波を使用します。
チャンネルは全部で4つあります。
60GHz帯は空気中の酸素分子に吸収されやすいため、半径10m程度のせまい範囲の通信に限られますが、チャンネル幅が2.16GHzと広い周波数帯域を使用することができるので安定したギガビットの高速通信が実現可能です。
ただし、周波数が高く、機器がまだ高価であるため対応している機器は非常に限られています。

無線LANの規格の確認方法

無線LANの規格を確認する方法には、次のような方法があります。
・対応規格はメーカーのホームページ情報から探します。
・親機が対応している規格は、無線LAN(Wi-Fi)機器の裏側にIEEE802.の後に「11b, 11a, 11g, 11n, 11ac, 11ad」などと記載されていますので、裏側より確認してください。
・子機が対応している規格は、Windowsのコマンドプロンプトから確認できます。
Windowsのコマンドプロントを起動し、ユーザディレクトにログインします。
『getmac /v /fo list』と入力し、接続名がWi-Fiの「アダプター」から確認を行うか、『netsh wlan show interface』と入力し、「無線の種類」から確認することができます。
2つ目の方法では、接続しているチャンネルや受信速度などの詳細情報も確認することができます。

無線LANの通信速度を向上させる方法

無線LANの通信速度を向上させる方法には、「MIMO」と「MU-MIMO」いうものがあります。

MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)とは、複数のアンテナを用いて対向の機器と通信を行う技術です。
情報を分割して複数のアンテナに入力(Multiple-Input)し、それらの情報をアンテナごとに伝送(Multiple-Output)することで通信速度を向上させています。
IEEE802.11nでは最大4つのアンテナでMIMO通信を行うことで、1つのアンテナで構成するSISO(Single-Input Single-Output)に比べ約4倍の通信速度が得られます。
IEEE802.11acでは最大8つのアンテナでMIMO通信を行うことでさらに高速な通信を実現させています。

MU-MIMO(Multi User-MIMO)は、電波の指向性を高めて、子機に光の束のように電波を集中させて送信する技術(ビームフォーミング)を活用しているMIMOです。
通常のMIMOは時分割で子機ごとに情報を送りますが、MU-MIMOは同時に複数の子機に情報を送れるので、より高速でかつ遠距離通信を行うことができます。

無線LANには、現在6種類の規格があります。
それぞれの規格には特徴があり、速度や周波数帯も異なります。
2.4GHz帯は、障害物の影響は少ないが、電子レンジやBluetoothなどの干渉による影響は受けやすいです。
5GHz帯は、他の機器からの電波干渉は少ないが、障害物の影響により通信速度が遅くなってしまいます。

利用例として、障害物が多い家の中で接続する場合は、2.4GHz帯の利用をおすすめします。
障害物が少なく開けている場所や親機の近くで接続する場合は、5GHz帯の利用をおすすめします。
利用する前に無線LANの規格を確認し、場面に適した規格を選択しましょう。

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