エンコーダとは?動画データの符号化装置
スマートフォンやパソコンを使用し、動画の配信・視聴をする方が増えてまいりました。
しかし、生の動画ファイルはデータ量が多く、ネットワークに大きな負荷がかかります。そこで動画の配信側は、データ量を圧縮するための装置が必要となります。
これが『エンコーダ』です。
ここでは、エンコーダとは何か、どのように使用されているのかなど、『エンコーダ』について説明します。
エンコーダとは?
エンコーダとは、データを様々な形式へ変換するためのハードウェアまたはソフトウェアのことをいいます。
動画やビデオなどの映像は、一定の法則でデータを変換されます。
これをエンコードといい、データ圧縮(元のデータの10分の1から100分の1以下)や暗号化も行います。
変換方法は『アナログデジタル変換』と『デジタルアナログ変換』があります。
エンコードは『アナログデジタル変換』であり、映像や音声などのアナログデータをパソコンが認識できるデジタルデータに変換します。
また、『デジタルアナログ変換』を行うと、元のデータの形式に復元が可能です。
エンコーダの形式と種類
エンコードには、文字コードや暗号化、URL・画像・動画・音楽ファイル・メールファイルのエンコードなどいくつか種類があります。
・文字コード
コンピュータ上で文字を扱う場合、数値も文字に対応させる必要があり、それを文字コードといいます。
文字コードには『符号化文字集合』と『文字符号化方式』の2つの概念があります。
符号化文字集合は、世界中で使われるすべての文字を集合させた『Unicode』や、日本語の文字コードの『JISコード』などがあります。
文字符号化方式は、パソコンで最も使用される漢字コードの『シフトJIS』、UNIX系のOSで標準的に使われる『EUC』、Unicodeの文字集合が使われた文字列を、バイト列に変換する『UTF-8』・『UTF-16』などがあります。
※エンコードとデコードの方式が合わないと「文字化け」が起こります。
・URLエンコード
URLのファイル名などで使用できない文字や記号を、使用できる文字に置き換えて表記します。
・画像ファイル形式
『JPEG』は圧縮率が高く、フルカラー(約1,677万色)のため、写真に使用されることが多いです。しかし、何度も保存を繰り返すと画質が劣化してしまいます。
『GIF』はファイルサイズを小さくでき、色数が256色と少ないためイラストに使用されます。
『PNG』は可逆性圧縮方式のため、圧縮したデータを完全に元に戻すことができますが、容量が少し大きくなってしまいます。
・動画ファイル形式
『MPEG2-PS』はDVDに使われているファイル形式で、『MPEG-TS』はブルーレイディスクや地上波放送に使われています。
『MOV』はAppleの標準動画形式のため、Apple製品向けの形式です。
『MP4』はMOVを元に作成したため、Apple製品の他、スマホやWindows、家電製品にも対応の現在最も使われている形式です。
『AVI』は広く一般的に使用されている動画形で、AVIの後継ファイル形式で多機能な『ASF』などがあります。
・音楽ファイル形式
音楽ファイルの形式には『無圧縮』と『圧縮』があります。
無圧縮は『WAV』・『AIFF』で、圧縮されていないためCDと同等の音質です。
『MP3』は非可逆圧縮方式を使用しているため、CD並みの音質を保つ圧縮ができます。
『WMA』は音声圧縮方式で広く普及しています。
『AAC』は高圧縮率で高音質化が可能となっています。
・メールファイル形式
メールファイル形式には、文字コードだけ使用した文章の『テキスト形式』、文字だけではなく文字の色や大きさ、図などを使用した『HTML形式』があります。
更にエンコードするトランスコーダ
・トランスコーダとは
トランスコードの処理を行うハードウェアまたはソフトウェアを「トランスコーダ」いいます。
トランスコードは、エンコードしたデータを元のデータの状態に戻さず、別の形式に変換(再エンコード)します。
質を保ったまま、ファイルサイズを縮小させることも可能です。
エンコーダの利用例
デジタルビデオカメラで撮影している映像をディスプレイで再生する場合
・デジタルビデオカメラとエンコーダ(ハードウェア)をHDMIケーブルで接続します。
・LANスイッチを中継してエンコーダとデコーダをそれぞれイーサネットケーブルで接続します。
・デコーダと表示用ディスプレイをHDMIケーブルで接続します。
エンコーダで映像や音声データの圧縮をし、デコーダで圧縮前の元のデータに復元できます。
最小限の容量でデータを送ることができるので、映像のコマ落ちが少なくなり、きれいで滑らかな映像を表示することができます。
ネットワークカメラに利用するエンコーダ
ハイテクインターのネットワークビデオサーバ[NV-101]は、ネットワークを利用して離れた場所に映像や音声を配信できます。
また、PoE対応のためACアダプタを使用しなくても、イーサネットケーブルから給電されるため、給電が困難な環境でも利用することができます。
→ネットワークビデオサーバ[NV-101]はこちら
エンコーダとは何だろう?と感じていた方に、少しでも理解していただければと思います。
ビデオカメラやネットワークカメラの映像を離れた場所へ配信したい方など、ぜひエンコーダを活用してください。