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イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート

こんにちは!ハイテクインター営業部販売促進課の平田です。

北海道では雪が降り始め、いよいよ本格的な冬の訪れを感じます。
夏の賑わいが懐かしく感じられる季節、今年の夏に開催された「夜高あんどん祭り」の賑わいを振り返り、当社が行った技術支援の様子をご紹介します。

ハイテクインターでは、2016年(第40回開催時)より、来場者の安全確保と運営の効率化を目的に、監視カメラ映像のリアルタイム伝送による技術支援を行っています。
今年の第49回開催で、10年目の技術支援となり、システム構成や運用方法も年々ブラッシュアップされてきました。
今回は設営から本番運用まで、技術者の動きに密着してご紹介します。

イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート
(掲載写真:沼田町観光協会様よりご提供)

夜高あんどん祭りとは

沼田町の夜高あんどん祭りは、北海道三大あんどん祭りの一つで、地域を代表する夏の伝統行事です。
特に目を引くのは、道内で唯一の「喧嘩あんどん」スタイルであること。
高さ約7m・長さ約12m・重さ約5トンにもなる大型あんどんが、激しくぶつかり合う様子は圧巻の一言で、毎年多くの観客を魅了しています。

このお祭りは、多くの観客と関係者が集まるうえ、町中を大きなあんどんが練り歩き、深夜まで続くという特徴があります。
そのため、運営側にとっては 安全確保・混雑状況の把握・緊急時対応 が大きな課題となります。

設置拠点と機器構成

今回の技術支援では、光学32倍 スマートスピードドームカメラ(HIC-SP200TX32A) と 60GHz帯無線LANブリッジ(V1000) を組み合わせ、会場の状況を広範囲でリアルタイムに監視できる体制を構築しました。

イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート

●設置ポイント

  • お祭り会場(定食屋屋上)
    • 光学32倍ドームカメラ(HIC-SP200TX32A)
    • 60GHz帯無線LANブリッジ(V1000)で商工会(警備本部)へ映像送信
  • 野外会場
    • 60GHz帯無線LANブリッジ(V1000)で警備本部からの映像受信
    • ネットワークビデオレコーダ(NVR)で、リアルタイム監視・録画保存
  • 商工会(警備本部)
    • 光学32倍ドームカメラ(HIC-SP200TX32A)
    • 60GHz帯無線LANブリッジ(V1000)で定食屋からの映像受信
    • ネットワークビデオレコーダ(NVR)で、リアルタイム監視・録画保存

60GHz帯の特徴

カメラ映像の伝送には、60GHz帯無線LANブリッジ(V1000) を採用しています。
大規模イベントでは人や設備が多く集まり、一般的な2.4GHz/5GHz帯は周囲の利用状況による干渉が発生しやすい一方、60GHz帯は影響を受けにくく、クリアな映像を途切れなく送れることが大きなメリットです。
映像は各カメラから無線で警備本部まで伝送され、NVRを通してリアルタイムに状況把握をしつつ、必要に応じて録画映像を確認できます。

昨年の夜高あんどん祭りでは、万が一の通信途絶に備えて5GHz帯との冗長構成(デュアルリンク構成)を採用していました。
実運用の結果、混雑した環境でも60GHz帯が安定して動作し、途切れのない映像伝送が実現できたため、今年は構成をシンプルにし、60GHz帯単独での運用へと切り替えました。
5GHz帯にも距離や柔軟性といった利点はありますが、今回のような大規模イベント環境では、干渉に強く安定性の高い60GHz帯がより適した選択となりました。

設営の舞台裏

夜高あんどん祭りの開催に向けて、技術チームは数日前から現場に入り、設営を進めました。その舞台裏を写真とともにご紹介します。

カメラ設置作業

イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート

まずは、会場全体を見渡せる定食屋の屋上に、光学32倍ドームカメラを設置。
あんどん行列や人の流れがしっかり確認できる場所に、慎重に設置を行います。

60GHz帯無線LANブリッジの設置と調整

イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート

続いて、カメラ映像を野外会場モニタへ届けるための60GHz帯無線LANブリッジを設置。角度が通信に影響するため調整を入念に行います。

足場の上での設置と調整

イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート

野外会場では、足場の上で60GHz帯無線LANブリッジの取り付けと角度調整を行います。
見通しの確保と最適な通信状態になる方向を探り、遠隔監視が途切れないよう入念にセットアップしました。

配線確認と養生作業

イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート

配線や機材の確認をしつつ、雨天時に備えた養生作業を実施。

警備本部での映像チェック

イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート

商工会(警備本部)では、NVRにより複数の画像を一括管理。
カメラ制御や画質を確認し、本番に備えます。

技術者インタビュー

担当した技術者のTさんに、現場で特に注意したポイントを伺いました。
●設置で最も気を使った点は?
「60GHz帯無線は指向性が非常に高く、数ミリのズレでも通信品質に影響します。
そのため、V1000の向きを合わせる工程では、電界強度を確認しながら微調整を繰り返しました。」

●今年の環境で特に大変だったことは?
「天候が変わりやすかったので、設置段階で機材の養生をしっかり行いました。
雨や湿気はコネクタ部に影響が出やすいため、防水処理に加えてケーブルの取り回しも見直しています。」

●今回の支援を振り返って
「設置段階での調整を丁寧に行ったことで、本番時の伝送品質が安定しました。
映像が運営側の判断材料になるので、今後も現場環境に合わせた最適化を徹底したいです。」

こうした設営時の細かな工夫が、本番の安定運用につながっています。次は、本番時にどのような映像が取得できたのかを確認していきます。

本番時の運用

イベントの混雑・安全をリアルタイム把握!沼田町・夜高あんどん祭りでの 60GHz 無線映像サポート

夜間でも人物やあんどんの動きがしっかり確認でき、混雑状況や危険箇所をリアルタイムで把握できました。
雨天時でも視認性が保たれ、濡れた路面や人の動きまで明瞭に確認できます。

今年の夜高あんどん祭りでも、会場各所に設置した監視カメラと60GHz無線によるリアルタイム映像伝送が、混雑状況の把握や安全運営に大きく貢献しました。
特に、以下の点で高い効果を発揮しました。

  • 昼夜問わずクリアな映像で状況を把握できること
  • 60GHz無線による安定したリアルタイム伝送
  • 警備本部での一元管理により、運用効率が向上したこと

こうした仕組みにより、瞬時の判断が求められる場面でも状況を把握することができ、映像の存在は運営側にとって欠かせない要素となっています。

終わりに

大きなトラブルなく祭りが開催され、監視システムが安全運営に貢献できたことを嬉しく思います。
夜高あんどん祭りは地域に根付いた大切な行事であり、これからも安心して楽しめる場を支えるため、引き続き最適なシステム提案と技術サポートを行ってまいります。

イベント会場のリアルタイム監視・無線伝送でお困りごとがありましたら、お気軽にハイテクインターまでご相談ください!

使用機材

記事内で紹介した、カメラ・無線機器は当社で販売している製品です。
イベントや施設などへの導入相談も受け付けておりますので、製品ページもぜひ参考にしてください。

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